2025年7月3日木曜日

『 ”時・条件の副詞節” では、「未来の動詞 ( will do )」を「現在の動詞(動詞・現在形)」で代用する』は、「錯覚」では?(4)

 "My Name Is Aram" ( William Saroyan )  の "The Summer of the Beautiful White Horse" の続きで、

Aram を振り落として駆け去った白馬をつかまえた後、Mourad は、

自分は、馬にしてもらいたいことを、馬がしたいと思わせることができる、

と言い、その秘訣を、

I have an understanding with a horse.  「俺は馬がわかっているんだ」

と説明するのですが、

Aram が、自分もその an understanding を身に付けたい,と言うと、Mourad は、

  

You're still a small boy.   「君はまだ小さいからな」

When you get to be thirteen you'll know how to do it.

「君が(俺と同じ)13歳になれば、どうすればいいかわかるよ」

と言います。

Aram がいずれ13歳になることは確実なので、『現在形』"get" が使われます。


get to be thirteen = get「動いて」+  to be「be に到達する」+ thirteen

          =「13歳になる」


 その後、Mourad がその白馬を、一か月、隠していることを知った Aram は、

I want you to promise not to take it back until I learn to ride.

「僕は、君に、僕が乗り方を覚えるまで、馬を返さないと約束してもらいたいんだ」

と Mourad に言います。

 Aram が馬に乗れるようになるのは、先の時間域においてですが、

Aram としては、なんとしても乗れるようになりたい、絶対に乗れるようになるんだ、という思いで、必ず実現する「うごき」というニュアンスで、『現在形』"learn" を使っています。


 しかし Mourad は、

It will take you a year to learn to ride.

「君が乗れるようになるには、一年かかるだろうよ」

と返します。

 Aram が Mourad のように乗れるようになるのにどれくらいの時間が掛かるかは『推測』するしかないので、"will take" が使われます。


その後、

( Aram )  We could keep the horse a year.   「(その気になれば)一年、手元に置けるよ」

( Mourad )  What?   Are you inviting a member of the Garoghlanian family to steal?

   「(正直さて知られている)ガローラニアン一族の人間に盗みをしろっていうのか?」 

     The horse must go back to its true owner.

     「馬は本当の持ち主のところへ帰らなきゃいけない」

( Aram )   When?

( Mourad )   In six months at the latest. 「遅くても6か月後には」


というやり取りがあり、さらに二週間、早朝に馬に乗り続け、馬を廃農園の納屋へ連れて行く路上で、二人は白馬の持ち主の John Byro に会い、

John Byro は、馬を良く見たうえで、


I would swear it 'is' my horse if I didn't know your parents.

「君たちの親御さんを知らなければ、私はこれは間違いなく自分の馬だと言い切るだろう」

  ( would swear ,  didn't know = 仮定法過去 )

The fame of your family for honesty is well known to me.

「君たちの一族が正直で有名なことを、私は良く知っている」

Yet the horse is the twin of my horse.  「でも、この馬は、私の馬に瓜二つだ」

A suspicious man would believe his eyes instead of his heart.

「疑い深い人なら、自分の心ではなくて自分の目を信じるのだろう」

( A suspicious man が『仮定』のニュアンスを持ち、

would は「仮定の助動詞」の『現在形』。 会話の当人 John Byro は、『現在』にいるつもりで話しているので)

Good day, my young friends.

Good day, John Byro, my cousin Mourad said.


 この出会いの翌朝、二人は白馬を John Byro の納屋へ返します。 

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