2023年10月28日土曜日

Duel (6) Richard Matheson

 He started as the truck roared past him on the left, causing his car to shudder slightly.

* causing:   

        cause『他動詞』「A に B(to do) させる」

 →  causing = cause の doing (ここでは『現在分詞』)

   ** 『主語』は、『過去』から流れて来る「時間の流れ」に乗って、流れています。

     『主語』の「うごき」も、ボールのように浮かんで、『主語』とともに流れ、

     『主語』はボールに手を添えています。

     つまり、『主語』と「うごき」はつながっています。


     「ボールがどんどん流れている」様子は、

    「うごき」が「さかんにおこなわれている」様子を表します。

     ただ、ボールが「どんどん流れている」様子は、『主語』には見えません。

     『主語』とボールは、一緒に流れているからです。


     ボールが「どんどん流れている」様子がよく見えるのは、

     「時間の流れ」の岸の上からです。

     岸の上からは、目の前をボールがどんどん流れている様子が、よくわかります。


     ボールが「どんどん流れている様子」、

     つまり、「うごき」が「さかんにおこなわれている様子」を、

     doing で表します。


    doing を使えば、 『主語』が「どんどんおこなっているうごき」

    を表せます。(『進行形」)

    ただ、「時間の流れ」の中にあるボール(うごき)、つまり『現在形』と『過去形』

    は、『主語』が手を添えられるので、『主語』の「うごき」を表せますが、


           doing (岸の上のカメラで写した映像のようなもの) は、「時間の流れ」の岸の上、

          つまり、「時間の流れ」の外にあるので

    『主語』は doing に手を添えることができません。

    つまり、doing は『主語』とつながらないので、doing は『主語』の「うごき」を

    表すことができません。

   

    そこで、「時間の流れ」の中の『主語』と外の doing の間にあってつなぐ機能のも

    のがあれば、『主語』と doing がつながって、doing が『主語』の「うごき」を表 

    せます。

   

    doing は、「どんどんうごいている」"様子"を表すので、『形容詞』に似ています。

    そこで、

    『主語』 +  be  +『形容詞』

    と同じように、 

         『主語』 + be + doing 

          とつなげると、『主語』と doing が be を介してつながり、

    doing は『主語』の「うごき」を表せます。

   この仲介役の be が『助動詞』です。

   

   be doing となって、はじめて doing は『主語』に届くので、

   be doing はワンセットです。(「進行の動詞」)



   したがって、doing 単独では、

   文型の V のような、一人前の「うごき」ではありません。


   causing は、単独なので、一人前の V ではなく、

  「一人前のうごき」である roared を『副詞』のように説明します。(『分詞構文』)


* to shudder = → shudder「これから shudder  が実現する」 なので、

  causing his car to shudder slightly では、

  causing が his car に働きかけ、その働きかけを受けて shudder が発生します。


「トラックが唸りを上げて彼の左側を追い抜き、彼の車を微かに震わせたとき、彼はギクッと

 した」



He watched the truck and trailer cut in abruptly for the westbound lane and frowned as he had to brake to maintain a safe distance behind it.

* had to brake:

     had『他動詞』の『過去形』「持っていた」

     + to brake「これからブレーキをかけること」

 =「ブレーキをかけなければならなかった」


* to maintain =「これから maintain を実現させるために」


「彼は、トレーラーを牽引するトラックが、西へ向かう車線に不意に割り込むのを見、トラ

ックの背後で安全な距離を保つためにブレーキをかけなければならなかったので、顔をしかめ

た」


What's with you? he thought.

「どうしたっていうんだ、と彼は思った」

2023年10月26日木曜日

Moominland Midwinter ( 16th ) ムーミンランドの真冬   by Tove Jansson 

Moomintroll read the letter several times, and suddenly he felt hungry. 

* he felt hungry                                                                                                         s   v      c

 「ムーミントロールはその手紙を何回か読み、不意に空腹を覚えました」

 

He went out in the kitchen.

* out in ~ =「~ の中へ」

「彼は台所へ入りました」


It too was miles and miles under the earth as it were and looked dismally tidy and empty.

*  as it were:

        it were という単語の組合せは、「現実の世界」にはなく、

  これは『仮定法』の表現です。


  『仮定法』は、

  「過去にさかのぼって新しいうごきを実現させることはできない」ことから、

  『動詞』・『助動詞』の『過去形』を用いて、

  「実現する可能性が無い、あるいは低いうごき」を表します。


  as it were に so「そのように」 を補ってみると、

   as(「ように」)  it(状況) were(「仮定の世界の自動詞」『過去形』)(so)

   =「(そういうことはあり得ないけど、)まるでそうであったように」


  **  この were は、It too was・・・の was  が示す『過去』の文中に組み込まれている

            ので、『過去形』ですが、

    「仮定の世界」では、『現在形』も were です。


「(the drawing-room は deep under the earth のようでしたが、)台所もまた、何マイ

 ル、また何マイル、という土の下にあるかのようで、薄暗く片付いて、がらんとして見えま

 した」



The larder was just as desolate.

「食べ物を入れておく大きなケースも、まったく同じように空っぽでした」


He found nothing there, except a bottle of loganberry syrup that had fermented, and half a packet of dusty biscuits.  

* had fermented:

       had [『助動詞』・『過去形』「(これまでに ~ のうごきをした実績)を持っていた」

   +  fermented [『自動詞』・『過去分詞』

           「(これまでに)発行してしまった実績」]

      =「発酵してしまっていた」


「そこでは、発酵してしまっている一壜のローガンベリー・シロップと、埃に覆われた包みに半分のビスケットの他には、彼には何も見つけられませんでした」



Moomintroll made himself comfortable under the kitchen table and began to chew.  

* to chew:

      to chew = → chew「(これから)噛むこと」


 「ムーミントロールはキッチン・テーブルの傍にくつろいで、食べ始めました」


He read Snufkin's letter once more.


He stopped short when he caught sight of two small eyes that gleamed out at him from under the sink. 

「彼は、流しの下から彼に向いて光っている二つの小さな目を見つけて、食べるのを止めまし

 た」



2023年10月25日水曜日

エゼキエルの宇宙船 (6) The Spaceship of Ezekiel by Josef F. Blumrich

    It would appear that Ezekiel sensed the truth rather early.

* would: 

  **     カタチのうえでは、『推測の助動詞』will の『過去形』ですが、

    ここでは、「過去にさかのぼって新しいうごきを実現させることはできない」こと     

    から、「実現可能性が無い、あるいは、弱い」ニュアンスです。

    そこで、「実現性の弱い世界」の『助動詞』と呼んでおきます。


        この would は、「実現性の弱い世界」の『助動詞』の『現在形』です。

       **    would appear  は、appear よりも「実現性が弱い」ので、

     断言的ではない、控え目な調子になります。

* It = that・・・・・


「エゼキエルは、かなり早い段階で、真相に気付いていたようである」


As his encounters with spaceships extend over a span of twenty years, we are in a fortunate position to deal with repeated observations of a specific type of space vehicle rather than an isolated event.  

* to deal :  "to" = ”→”「(~)にたどり着く」なので、

       to deal は、「(これから)扱う」という意になります。

* repeated :

        repeat『他動詞』「繰り返す」

  →   repeated『他動詞』の『過去分詞(完了)』

         「(これまでに)繰り返してしまった(実績)」

  → repeated 『他動詞』の「過去分詞(結果・受動)」

         「(その結果、いま)繰り返されてしまっている(状態の)」

* isolated:

            isolate『他動詞』「孤立させる」

  → isolated『他動詞』の『過去分詞(完了)』  

        「(これまでに)孤立させてしまった(実績)」

  → isolated『他動詞』の「過去分詞(結果・受動)」

        「(その結果、いま)孤立させられてしまっている(状態の)」

「彼の、宇宙船との遭遇が、二十年の期間に及んだので、私たちは、単独の出来事よりも、特

 定のタイプの宇宙航行機の反復された観察を扱うという、幸運な立場にいる」


   The prophet displays an extraordinary gift of observation in describing structure and functions of this type of spacecraft as well as the living beings and events immediately related to it. 

* describing:   

    in describing =in『前置詞』+ describing『他動詞』の『動名詞』「描写すること」

*  related:

         relate『他動詞』「関連づける」

  →  related『他動詞』の『過去分詞(完了)』

             「(これまでに)関連づけてしまった(実績)」 

  →  related『他動詞』の「過去分詞(結果・受動)」    

          「(その結果、いま)関連づけられてしまっている(状態の)」


「この預言者は、このタイプの宇宙船に密接に関連した生命体と出来事の描写のみならず、構

 造と機能の描写においても、卓越した観察の才能を披露している」

2023年10月23日月曜日

The New Realities  新しい現実 (4) Peter F. Drucker

 Some time between 1965 and 1973 we passed over such a divide and entered 'the new century'.

*「1965年と1973年の間の或る時、私たちはそのような分岐点を通り過ぎ、’新しい世紀’ に入った」


We passed out of creeds, commitments, and alignments that had shaped politics for a century or two. 

*  creeds, commitments, and alignments [  that had shaped politics for a century or two ]

    **  had shaped :

      *  この組合せでは、had は『助動詞』、shaped は『過去分詞』です。

  *  had は『過去形』なので、「(ある動きをした実績)を持っていた」の意です。

      *  shape=『他動詞』「形成する」

         →  shaped「過去分詞(完了)」「(これまでに)形成してしまった(実績)」

  [ →  shaped 「過去分詞(結果・受動)」

         「(その結果)形成されてしまっている(状態の)」 ]

「私たちは、一世紀ないし二世紀にわたって政治を形作ってきた信条、約束、同盟関係を脱 却した」


We are in political "terra incognita" with few familiar landmarks to guide us.

* to guide:

      guide『他動詞』『原形』

  → to [ to A = → A  / A にたどり着こうとしている ] + guide

  →   to guide『不定詞』「(これから)guide にたどり着く」

  **  landmarks< to guiide us >

「私たちは、私たちを導いてくれる、知っている道標が殆ど無い、政治的な’未知の土地’ にいる」

 

No one except a mere handful of Stalinists believes any more in salvation by society  -- the faith which since the eighteenth-century Enlightenment had been the dominant force and main engine of politics. 

* No one ~ any more ~ 「だれも、もはや ~ ない」 

* believes...in ~「~ を信じる」

* the faith [ which since the eighteenth-century Enlightenment had been the dominant force and main engine of politics ]

    **  had been = had『助動詞・過去形』+ been『自動詞』『過去分詞』

  *  been「(これまで)(~)だった(実績)」」

  *  had been =「(過去の或る時点まで)(~)だった」

「ほんの一握りのスターリニスト以外には、十八世紀の啓蒙運動以来、政治の主要な力と推進力であり続けた信念である、社会による救済を、もはや誰も信じてはいない」



2023年10月2日月曜日

Exoplanets 太陽系外惑星 (8)

 In any case, when this technique was used to search for exoplanets, the first positive results were the discovery of what came to be called hot Jupiters.

* was used to search for

  **  was =『助動詞』・『過去形』「(動きが ~ の状態)だった」

      **  used : 

    use『他動詞』「使う」

  → used『他動詞』・『過去分詞(完了)』「(これまでに)使ってしまった実績」

  →   used『他動詞』・『過去分詞(結果・受動)』

          「(その結果、いま、目的語は、)使われてしまっている(状態の)」

   **  to search for :

               search for『句他動詞』『原形』「(~ )を探す」                     

   → to search for『句他動詞』・『不定詞』

           「(これから)(~)を探す」

* to be called:

  **   call『他動詞』「呼ぶ」 

   → called『他動詞』・『過去分詞(完了)』「呼んでしまった実績」

   →   called『他動詞』・『過去分詞(結果・受動)』

        「(その結果、いま、目的語は、)呼ばれてしまっている(状態の)」        

      ** be called = be『助動詞』・『原形』「(動きが ~ の状態)である」

                               + called「(いま)呼ばれてしまっている(状態の)」

         =「受身の動詞」・『原形』「呼ばれる」

  **   to be called =「受身の動詞の不定詞」「(これから)呼ばれる」

* what came to be called hot Jupiter

  「ホット・ジュピターと呼ばれるようになったもの」

* 「いずれにせよ、この技術( 惑星の引力による恒星の小さな動きを探知することで、 

  惑星の存在を突き止める技術 ) が、太陽系外惑星を探すために使われたとき、最初の建

  設的な成果は、ホット・ジュピターと呼ばれるようになったものの発見だった」 


These are massive planets---typically several times larger than Jupiter---orbiting close to their stars, often closer to their stars than Mercury is to ours.

* orbiting :

        orbit『自動詞』「公転する」

    → orbiting『現在分詞』「(いま、もっか)公転している(状態の)」

*「これらは巨大な惑星---木星の数倍の大きさを典型例とする---で、その恒星の近くを

  公転し、太陽に対する水星よりもその恒星に近いことが、しばしばである」


But according to the paradigm that other solar systems should be like ours, this was impossible.

* should :

     **  shall『助動詞』「(大きな力の作用で) ~ するように導かれる」


    ここで、「過去にさかのぼって、うごきを実現させることは出来ない」ので、

     → 『過去形』で、「実現が不可能・困難」のニュアンスを表せます。

       ( 『仮定法』の原理 )

     → 「実現することはあり得ない」内容を表す『仮定法』のほか、

       「実現する可能性が低い(実現性が弱い)」内容も表せます。

   この should は「実現の可能性が低い」場合です。

*「しかし、他の太陽系が我々のものに似ていそうなものだというパラダイム(理論枠)

  によれば、これはあり得ない事だった」


Gas giants such as Jupiter were supposed to form only far away from their star, not close in.

* was supposed to form

   **  were『助動詞』・『過去形』「(動きが ~ の状態)だった」 

    **  supposed :

   suppose『他動詞』「考える」  

 →   supposed『他動詞』・『過去分詞(完了)』「(これまでに)考えてしまった実績」

  →   supposed『他動詞』・『過去分詞(結果・受動)』

        「(その結果、いま、目的語は、)考えられてしまっている(状態の)」

 **  to form『自動詞』・『不定詞』

            「(これから)出来る」

* 「木星のような巨大ガス惑星は、その恒星に近い、星系の中心部の方ではなく、

  遠く離れたところに出来ると考えられた」 


Another surprise;  another failure of the paradigm.

* 「もう一つの驚き; パラダイムから外れた、もう一つの例」


As the collection of hot Jupiters grew, astronomers began to wonder if 'any' system out there is like ours.

*  began to wonder :

     **  began『他動詞』・『過去形』『(~)を始めた」

     **  to wonder = 『他動詞』・『不定詞』「(これから)wonder が実現する」

*「ホット・ジュピターの集合体が大きくなるにつれて、天文学者は、遠くに、

  どんなものであれ、我々の星系のようなものがあるのだろうか、と考え始めた」