2025年10月7日火曜日

「接続動詞」(人称形)と「自由浮遊動詞」(非人称形): 英語は実はかなりシンプル(8)

** ここの「接続動詞」、「自由浮遊動詞」という語は、筆者個人の英文法の捉え方を表すために造った用語で、一般的に使われている用語ではありません。

「時間の流れ」も、一般的には使われていません。  

ただ、これらの概念を用いると、英文法の本質を捉えることが容易になると思われるので、

「・・・」という表示で用いています。

一般的に使われている用語は、『・・・』と表示しています。



 惑星が、恒星を回っているのは、恒星と惑星が、引力によって結びついているからですが、

惑星(惑星質量天体)には、引力によって恒星と結びつかず、宇宙空間を自由に浮遊している「自由浮遊惑星  (rogue planet  /  放浪惑星 ) 」と呼ばれるものもあり、最近、その数がかなり多いことがわかってきています。


 一般にイメージされる惑星は、特定の恒星(太陽など)と引力で結びついてその恒星を回り、その恒星系(太陽系など)はさらに銀河系の中心部(太陽系は、銀河系の中心から約3万光年離れて)を回り、惑星はその恒星系に属することによって、いわば間接的に銀河系を公転しますが、

「自由浮遊惑星」は、特定の恒星系に属さないので、直接的に銀河系の中心を公転しています。


 英語では、

*『主語』(「時間の流れ」の中にいる、ある)が”恒星”、

*『主語』と同様に「時間の流れ」の中にあって、『主語』に接続する

『動詞・現在形』『動詞・過去形』や『助動詞・現在形』『助動詞・過去形』が”惑星”で、


『主語』に接続する動詞、という点に着目すると、

「接続動詞」ということになります。


*「時間の流れ」の外の時間を浮遊していて、そのままでは『主語』に接続できない  原形do

done、doing、to do は、"自由浮遊惑星" に相当します。

『助動詞・人称形』の「橋渡し」によって『主語』に接続されるまでは、

時間の中を自由に浮遊している動詞、という性質に着目すると、

「自由浮遊動詞」ということになります。

 


 英語が置かれている「時間」は、宇宙空間に相当し、

さらに、この時間の広がりには、天の川のような、「時間」が流れている川があります。

時間は、「時間の流れ」の中だけで流れています。

「時間の流れ」の外にも、やはり時間はありますが、流れは無く、遥かな過去から遥かな未来まで、流れない時間が空間のように広がっています。


 英語の文は、

S『主語』+ V「うごき」

を中心に作られますが、

『主語』は、「時間の流れ」の中にいます(あります)。

 したがって、『主語』の V「うごき」は、

  『主語』に接続しなければなりませんから(『動詞・人称形』)、

  V「うごき」が複数の「動き(  原形do、done、doing、 to  do )」から出来ている場合、

  先頭の語は、「時間の流れ」の中(『現在』、『過去』)になければなりません。

つまり、先頭の語は、『人称形』(『現在形』、『過去形』)でなければなりません。

  

* He has been watching an eagle circling overhead for a few minutes.

  「彼は、一羽の鷲が頭上を旋回しているのを、数分間、見続けている」

では、

has been watching が V「うごき」で(『現在完了・進行形』)、


been watching が、「進行の動詞」be doing(『原形』)の『過去分詞』で、

「これまで」の時間域で「見続けている」、という「(動きの)実績」を表し、

その動きの「実績」を「持っている」ことを表すのが "has" で、

has は、『完了の助動詞』の『人称形』(『現在形』)で、『主語』に接続しています。

その結果、

has been watching という V「うごき」の全体が、『主語』に接続することになり、

has been watching が、

『現在完了・進行形』という V「うごき」の『人称形』(『現在形』)になっています。

ただ、

『主語』に直接に接続しているのは『助動詞』has(『現在形』) だけで、

been watching の部分は、「時間の流れ」の外にあります。 


* He is watching an eagle in the sky. (『現在進行形』)

  「彼は、空の一羽の鷲を、見ている」

では、

watchingは、

「時間の流れ」の岸の上から、目の前の「いま」の時間域を流れているボール(動きの最小単位)を見て、初めて認識できる動き(どんどん流れている”状態”)で、

「時間の流れ」をボールと一緒に、同じ速さで流れている『主語』には、

「動きの、どんどん流れている状態」は認識できないので、

watching は、

「時間の流れ」の岸に置かれたカメラで、流れているボールを撮影して捉えられる映像のようなものなので、

watching は、「時間の流れ」の”外”の岸の上にあり、そのままでは、「時間の流れ」の”中”の『主語』に接続できません


watching は、

「いま」の時間域において、「(いま、もっか)注視している、注視しつつある(状態の)」

という、

「watch という動きが発生しつつある”状態”」を表す点で、

『形容詞』の、名詞の”状態”を表す機能に似ているので、

watching を『主語』に接続させるには、

『形容詞』を『主語』に接続させるために「イコール」の『be動詞』が使われるように、

『現在分詞』watching を『主語』に接続させるために、「イコール」の『助動詞』is が使われています。


 以上から、

is watching =「進行の動詞」の『現在形』(『人称形』)

さらに、

be watching =「進行の動詞」の『原形』

been watching=「進行の動詞」の『過去分祖』

となります。


* been watching を用いると、


  たとえば、今夜、流星雨 ( meteoric shower )を見る予定だけれども、流れ星が見えているうちはなかなか切り上げられないので、見るのは午前2時までにしよう、と決めてある場合は、

We will have been watching the meteoric shower for several hours by 2 a.m. tomorrow.

「私たちは、明日の午前2時までに、数時間、流星雨を見続けていることになるだろう」

という表現になり、 

「明日の午前2時という、先の時点まで、”見ている”という動きが続くだろう」

という内容になります。 (『未来完了進行形』)


 『推測の助動詞・現在形』will によって、

have been watching「進行の完了の動詞・原形」を先(未来)の時点に置くと、

will have been watching で、

「その時点まで、ずっと見続けているだろう」ということになります。