2024年6月26日水曜日

西欧中世のカオス的世界 (20) Medieval Europe by Martin Scott

In every part of the empire educated men had shared the same staple intellectual fare, based on the Greek thought of the fifth and fourth centuries B.C..    

この帝国の至る所で、教養のある人々が、共有してきていた  /  同じ基本的な知的素材 [ 紀元前五世紀と四世紀の、ギリシャの精神活動に基礎を置かれていた ] を。  


Rome had also brought a measure of religious unity to her world. 

ローマは、また、ある程度の宗教的な統一を、ローマ世界にもたらしてきていた。


Over all the diverse religions of the Empire, with the single irritating exception of Judaism, she had imposed the cult of emperor worship as a common bond for those who worshipped so many different gods.     

全ての、様々な、この帝国の宗教  /  ただ一つの、違和感を与える、ユダヤ教という例外はあったが  /  の上に  /  ローマは、押し付けてきていた  /  皇帝崇拝という疑似的な宗教を  /   それほどに多くの異なる神々を崇拝していた人々のための、共通の絆として。 


When Constantine (312 -- 337) by stages recognized Christianity as the religion of the Empire, it must have seemed to many that this was but a further extension of that unity which it seemed her mission to bring.

コンスタンティン帝が、段階的に、認めた  /  キリスト教を  /  この帝国の宗教として  /  とき、/  帝国の宗教としてのキリスト教は、その統一 [ それをもたらすことがローマの使命であると思われた ] の更なる拡張に過ぎないと、多くの人々には、思えたに違いない。   

* must have seemed      

      = must + have seemed(「完了の動詞」の『原形』)

 =「見えたに(思われたに)違いない」


To Christians certainly it seemed that the Empire was no mere accident of history, but a vital part of God's scheme for the salvation of the world.

キリスト教徒にとっては、 きっと、思えた  /  この帝国は、単なる歴史の偶然ではなく、神の計画 [ 世界の救済のための ] の極めて重要な部分である、と。


Without Roman law and order how could the Christian faith have been spread so far and so fast?

ローマの法と秩序が無かったら、どうしてキリスト教があれほど遠くまで、そしてあれほど急速に、拡大されることが可能だったのだろうか?

* Without Roman law and order   が、当時のキリスト教徒にとっての「事実に反する仮定」を表すので、could は『仮定法』の『助動詞』です。 

前の文が、seemed、was によって、「キリスト教が広まった」という『過去』の事実を表しているので、

この『仮定法』は、その『過去』の時点にいて、「(今は、このようにキリスト教が広まっているけれど、)仮に、ローマの法と秩序が無かったら・・・だろうか?」と考えているので、この could は、『仮定法』の『助動詞』の『過去形』です。



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